島根電工に学ぶ 「不思議な会社」に不思議なんてない

「不思議な会社」に不思議なんてない

ローカル企業が建設業をサービス業に変え急成長!

大手や不況に負けない局戦地の戦い方

勝ち残るのは変化に即応できる会社

仕組みより文化が成功をもたらす

驚きの離職率1%!「社員のための会社づくり」

島根電工荒木社長に、急成長する建設会社の秘訣をお話いただきます!

 

NPO法人建設経営者倶楽部KKC 理事長 降籏 達生より

NPO法人建設経営者倶楽部KKC理事長降籏 達生です。

島根電工株式会社は、島根県に本社を置く昭和32年設立の電気工事業を営む会社です。
島根県の人口の68万人、隣の鳥取県57万を合わせても約130万と人口減少が続いています。
県民所得も全国下から数えて1番2番。
同社は、傍目には市場として厳しい山陰の2県に根をおろし、あえて出ていかない地元密着企業です。

建設業界は、少し前の東日本大震災の復興需要、
現在の東京オリンピック需要など、一部の地域では
活況ですが、業界全体として、バブル崩壊以降、建設市
場は縮小していています。

建設投資は、平成4年度のピーク時約84兆円が平成23年約42兆円。
公共事業も同様で、平成7年35兆円から平成23年17兆と
何れも半分に減少しています。

こうした厳しい環境下において、島根電工は、平成26年度には売上155億と、平成2年のバブル期売上83億と、
向かい風の中、2倍近くまで成長させたのが、荒木社長です。

こうした驚異的な実績を残した荒木社長ご自身と、島根電工の改革についてご紹介します。

荒木社長は、島根県雲南市の国鉄職員の父親と専業主婦の間に生まれました。
東京の私立大学の在学中に芸能プロダクションでアルバイトしたご縁で、そのままそこに就職しました。
しかし、わずか4カ月で島根に戻ることになりました。
そして父親の紹介で就職することになった会社が、現在、代表を務める島根電工です。

しかし、文系で、好きで入った電気工事業界ではなかったことに加え、正義感が強い荒木社長は、入社4年目にして事業部長と衝突することになりました。

事業部長が遅刻常習者の社員に対して戒めるために、玄関に貼付けた「遅刻者は出社に及ばず」の張り紙を見て、荒木社長は事業部長に抗議したのです。
押し問答の末、何とか紙ははがしてもらったものの、
その後も対立が続き、すっかり嫌気がさし辞表を出しても受け取っ
てもらえませんでした。

その後も、出世も同期と比べて遅く30歳を過ぎても平社員でした。
30歳で主任になってからは実績を残してハイスピードで
昇り詰めていきますが、こうした過去から、松下幸之助が言った
「鳴かずんば、それもまたよし、ホトトギス」が組織の本
質であると思うようになったと言います。
人にはそれぞれ持ち味があり、自分がそうであったように、
全員が優等生である必要もなく社長になれるわけではありません。
もし、社長を全員が目指したら、かえって組織はぐちゃぐちゃになってしまう
と荒木社長は言います。

荒木社長が初めて営業所長になったのは出雲市です。
出雲は、地元意識が強く、松江に本社を置く島根電工としても
簡単に取引が広がる市場ではありませんでした。
何度も、役所やゼネコン、設計事務所を回っても相手にされません。
行き場がなかった荒木社長が始めたのは、ビルや店舗のオーナー、
企業、工場の施主などエンドユーザー営業です。
この経験が、現在、島根電工で売上の半分の70億を超えるま
で成長した「住まいのお助け隊」のヒントになっています。

荒木社長は、最終的に11年間出雲所長として頑張り、
就任時3億円だった売上を8倍の24億円にしました。
出雲で実績を上げた荒木社長は、平成8年の48歳の時に、営業
を統括する常務取締役として本社に戻ることになりました。
前年の平成7年の公共事業は35兆円と、過去最高を記録していましたが、
荒木社長は出雲営業所長時代から大型工事頼みの体制では、
いずれ厳しくなるだろうと予想していました。
実際、平成13年小泉政権になり公共事業は急激に
減少していきました。
そのため、常務になってからは、ことあるごとに小口工事への
シフトを訴えましたが、それまで数千万~数億といった工事が
中心だったこともあり、
「3万円、5万円といった工事を何件取れば、件名工事
(大型公共事業・ゼネコン工事)と同じ売上になるんだ?
チマチマしたことなんかやられるか!」と言われる始末でした。
役員会議を始め反対ばかり。

そこで、荒木社長は、水面下で「小口工事」に舵を切りました。
エンドユーザーや一般家庭を対象にした小口営業部隊を
つくり徐々に事業転換を図っていきました。
公共工事入札とゼネコンや工務店への御用聞き営業から、
一般家庭から直接受注をもらう営業への切り換えは容易ではありません。
赤字であっても大口の受注が優秀と周りから賞賛される文化を
変えるために、荒木社長は各営業所長に「営業が大口の仕事を
取ってきたら外で喜べ。
逆に、新規開拓で小口工事を取ってきたら、社内でスター扱いしろ」
と根回しをして回りました。
こうした地道な積み重ねで徐々に価値観を変えていき
小口工事をメインにしていきました。

小口工事への改革が功を奏して売上を伸ばしていきましたが、
荒木社長は売上100億、利益5億があれば充分であると言い切ります。
なぜなら、あまり、売上が上がってしまうと忙しくなるからです。
多くの受注があると、残業をしなければならなくなり、
社員が家族と過ごす大切に時間が奪われてしまうからです。
取引先も同じで、下請け、孫請け、職人が納期を守るために、
休日も取れずに働かなければならない
のであれば、何のための経営かわからなくなります。

「腐った肉を食べるな!」は、荒木社長がよく口にする言葉です。

社員や取引先の幸せを考えたら、腐った肉を食べるような
経営を続けることは経営者として失格だと言います。
しかし、まだまだ、頭でわかっていても、なかなか新
しいビジネスモデルへの転換ができず、今の事業の、
売上・利益を優先してしまっている企業も多いのが現実です。

そこで荒木社長は次の2つの改革を進めました。

●改善策1ビッグブラザー制度をもとに、独自の研修システムを確立。

島根電工には、創業以来続く「ビッグブラザー制度(B・B制度)」
という新人教育制度があります。
新卒者にはマンツーマンで先輩社員が付き、仕事から
私生活に至るまで何でも相談に乗り、新生活のスタートを
サポートするシステムです。
社会人としての基盤を形成していく上で、
非常に有効なシステムだが、こうした制度がありながら、
かつては離職が続いた。

「現場の仕事は、体力的にハード。いわゆる3Kというやつで、
定着率は悪かった。
30人採用して、10%残ればいい方。
技術の継承という問題もありますから、このままではお客様に
安定したサービスを提供できない。」
そう考えた荒木社長は人材の育成と定着に力を注ぎました。

 ビッグブラザー制度で培ってきたノウハウをもとに、
独自の研修プログラムを構築。
入社1年目には、まず20日間泊まり込みでの研修を行い、
その後3か月毎に2泊3日の研修を3回行う(1年目述べ30日間)。
さらに2年目、3年目は4カ月に1回のペースで行う。
計10回の研修で、生きがいや夢、お客様をどう感動させるかなどを
しっかりと考えさせる。
研修を繰り返し行うことで若いうちに目標、夢を見つけ、
技術や資格、社会人としてのマナーを習得。
さらに若手以外の30代~50代社員にも各部門別に研修を行い、
理念の徹底とモチベーションの維持を図りました。

●改善策2より良いサービス提供のために、進化するスローガン。

 前述のように、同社は電球の交換や水漏れ、詰まりなど
ごく小さなサービスにも対応する「住まいのおたすけ隊」を
柱として成長を続けています。
これはスローガンである「期待を超える感動」が
お客様へ届けられている1つの証拠でしょう。

「もとは“期待と感動”というスローガンだったのですが、
リッツ・カールトンホテルの本に出会い、今のスローガンへ進化しました。」
 荒木氏を感動させたリッツ・カールトンのエピソードとは、
「営繕係が両手のふさがったお客様のドアを開けて差し上げた、
それを見た社長は言いました
『ドアを開けただけでは、お客様さまは“満足”するだけ。
お客様でさえ気づかないニーズに気づき、
先回りすることで“感動”するんだ』と」。

このくだりに共感した荒木氏。さっそくスローガンを
「期待をこえる感動」とし、2011年より「感動研修」を
実施して社員に徹底しました。

「どうしたら期待を超える感動を与えられるか。
相手の立場に立ち、求められるもの、喜ばれることを
一生懸命考えてもらいます。」

そのためには、相手を思う気持ちと、豊かな想像力が必要となります
同社の研修では、感性を磨き、右脳を働かせることで創造力を養う、
独自のプログラムが実施されています。

人を大切にする経営学会 メールマガジン
愛媛県若年者就職支援センター 講演記録
を一部参考にしました。

 

チラシはこちらからダウンロードできます。

 

次回例会:KKC4月例会はこちら

(2018年4月13日(金曜日)14:00~18:00)

 

 





講師プロフィール



島根電工株式会社 代表取締役社長 荒木 恭司様

1949年島根県雲南市三刀屋町生まれ1972年島根電工株式会社入社。


1985年出雲営業所所長、1996年常務取締役、1999年専務取締役、2004年代表取締役副社長、2010年代表取締役社長に就任。


公共工事受注主体から「住まいのおたすけ隊」による小口工事の受注拡大に成功。


その後右肩上がりに成長を続け、バブル期よりも売上を2倍にする。


週3日のノー残業デー、プレミアムフライデーの実施など働き方改革も積極的に進め離職率は1%と社員が辞めない会社となる。


また、業界活性化を狙い全国でフランチャイズ展開を開始、同業者40社以上の経営支援を行う。


島根電工株式会社を中心として、いずれも同社100%出資のシンセイ技研株式会社、岡田電工株式会社、協和通信工業株式会社から構成される島根電工グループのトップも務める。


島根県立大学理事、一般社団法人日本電設工業協会理事、一般社団法人島根県電業協会会長。






例会概要


会場

※お申込み多数につき、広い会場へ変更させていただきました。


直前の変更となりご迷惑をおかけしますが、


ご参加お申込みをいただいているお客様は、何卒ご確認のうえお越しいただきますよう、お願い申し上げます。


 


ミッドランド会議室C


450-6205 愛知県名古屋市中村区名駅四丁目7番1号 ミッドランドスクエア オフィスタワー5F【アクセス

日時 2018年2月23日(金曜日) 15:00~18:00
参加費 5,000円/人(KKC例会に初めて参加される会社の方は3,000円、KKC会員は社員2名まで無料)
対象者 中小建設会社の経営者、幹部、後継経営者、将来経営者になる予定の方


Meeting report 次回例会ご案内

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会社を倒産の危機から救った3代目経営者が語る
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早期戦力化、離職率の低減、チームワークの醸成に直結する

"テレビ東京「カンブリア宮殿」、NHK「プロフェッショナル」、月刊『致知』等メディア多数出演
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